第1回 「英語が私に見せてくれた景色」

まず、執筆者の私、目黒達之がどのようにこれまで英語と触れてきたかをご紹介します。

保育園の頃から高校卒業まで英会話教室に通い、家族で海外旅行にもよく行きました。元々人よりも海外や英語を身近に感じることのできる環境で育ったと感じます。とは言え、それだけで自然に英語を話せるようになったわけではありません。

転機は中学3年生の夏休みでした。韓国の仁川英語村で行われた国際研修に参加し、世界各国から集まった同世代の学生たちと交流したのです。

中でも、韓国の生徒と英語を使って会話できたことが大変印象に残っています。
それまで韓国についてはニュースや新聞から一方的に情報を得るのみでしたが、実際に話をしてみると会話が弾み、韓国の方に対してのイメージも大きく変わりました。
英語を媒介にすることで、世界が大きく広がっていくのを肌で感じました。異なる母語を使う日本人と韓国人が、英語というツールを介して繋がることができるのだと感動しました。

初めて実戦の場で英語でのコミュニケーションに成功したこの経験が、その後の私の活動の皮切りになりました。もっと英語を使って世界中の人と繋がりたいという一心で、その後も次々と海外の方との交流の機会に参加しました。
アメリカへの姉妹都市訪問、韓国への姉妹校訪問、ホームステイの受け入れ、オーストラリアへの学習研修、イギリスへの語学研修、アメリカへのリーダーシップ研修——高校三年間で様々な経験をし、アメリカの政治や社会についてもっと深く学びたいと思うようになりました。
その夢を叶えるべく東京外国語大学を受験し、入学後は「模擬国連サークル」で国際問題に関するディスカッションに取り組んでいます。1年生の春休みには、ニューヨークで行われた「模擬国連」の世界大会に日本代表チームの一員として参加し、英語を駆使して世界中の学生と化学兵器の軍縮について議論しました。夢の舞台である国連で、海外の学生と深い議論ができ、非常に感慨深かったです。

このように、私にとっては世界中の人と交流できるツールであるということが英語の魅力でした。ですが、英語の魅力はそれに限られていません。

英語が使えると、洋書を楽しめます。
英語が使えると、インターネットで世界中の最新の情報にアクセスできます。
英語が使えると、世界中を旅して自分の言葉で友人を作ることができます。
英語を使えるか否かで機会の数は大きく変わります。

英語は誰かに強制されて勉強するものではありません。皆さんの毎日を豊かにする素敵なツールなのです。だからこそ、”自分にあった形で”英語をどんどん使ってほしいと思います。

英語の魅力について語りましたが、大事なのは英語の価値を知り、目的を持ち、主体的に学習することです。
私もいきなり英語が得意になったわけではないですし、今でも修行中の身です。皆さんよりも長く英語を勉強し、英語の魅力に触れてきたものとして、自分の失敗談を含め、以降の連載で英語の学習法について共有できたら幸いです。