第8回「英語の学習方法(3)Rome wasn’t built in a day(ローマは一日にして成らず)」

前回と今回の2回に分けて、本当に使える英語力の習得に欠かせない「実践的英語学習」についてお話ししています。前回は、実践的英語学習のカギの1つ目として、4技能をバランスよく鍛えることを取り上げました。今回は、時間をかけて継続的に学習するとはどういうことか、そしてそれがなぜ重要か説明します。

 

実践的英語学習のカギ②:

時間をかける英語学習とは 〜生活に英語を巻き込んで、楽しく時間をかけよう〜

 

英語学習で成果を上げるためには、時間が必要です。積み上げる時間は多いに越したことはありません。しかし、漫然と時間だけかけるのでは得るものが少なく、非常にもったいないです。

 

重要なのは、学習の成果は【学習の「量(時間)」×学習の「質」】で決まるということです。つまり、吸収するものがたくさん詰まった質の高い学習(英語を使う「経験」)を積み上げていくことが重要なのです。

一回一回の学習の質が上がれば、同じ学習量(時間)で大きな成果を上げることができ、はるかに効率が良くなります。

質の高い学習については、前回紹介した4技能をバランスよく鍛える学習のことを広く指します。

 

別の言い方をすると、英語学習のための時間という枠をきつく設けなくても、学習の「質」を意識すれば成果を得られる!ということです。

机に向かってテキストや単語集を開いているときのように、いかにも英語を勉強しているかのような時間もありますが、そのような時間だけが英語を勉強する時間だとする錯覚を取り除きましょう。

 

英語の学習とは、座学に集約されません。むしろ、教科書を使わない時間の方が吸収できるものが多いかもしれません。

 

ふとした日常で、「今の感情は英語でなんていうのだろう」と考えてみるのも立派な学習法です。辞書を英英辞典に変えることも英語にふれる機会を大幅に増やしてくれるでしょう。

これらの方法はハードルが高く感じてしまう人におすすめなのは、洋画を英語音声・英語字幕で観ることです。楽しいことをしながら英語の勉強にもなり、一石二鳥です。

英語が堪能なブラジル人の友人に、どのように勉強しているのか聞いたところ、「洋楽や海外の映画が好きで、たくさん聴いたり観たりしているうちに自然に英語に慣れてきた。」と言っていました

 

ここまで、楽しみながら英語の学習時間を増やす取り組みを紹介しました。

前回の連載の冒頭で触れた、「英語を自分の日常に取り入れること」に導かれることを感じていただけたでしょうか。

 

実践的英語学習のカギ③:

継続的学習の重要性 〜語学はマラソン!止まらずコツコツ〜

 

継続は力なりとはよく言ったもので、英語学習にもピッタリ当てはまります。

「明日7時間英語を勉強するから今日はやらない」とか、「部活が忙しいからテスト週間まで英語の勉強はしない」という声をよく耳にします。

しかし同じ7時間でも、一日に詰め込むより、毎日集中して1時間ずつする方がよいでしょう。なぜなら、自分の体を英語に慣らすことができるからです。

アスリートが「一日練習を休むと感覚を取り戻すのに数日かかるから、練習は毎日欠かさない」と話しているのをテレビなどで聞いたことはありませんか?

英語の学習も同じです。定着するまでに時間がかかっても、忘れ去るのは一瞬です。

今まで積み上げてきたものを崩さないためにも、短時間でもいいので毎日継続的に学習しましょう。

 

以上のように、実践的英語学習を形作る3つのカギを紹介してきました。次回からは、実践的英語学習を具体的な学習法に落とし込んで説明していきます。