英語の勉強法②
英語学習における実践とは何を意味するのか
過去の連載の中で“実践的な英語学習”の重要性を繰り返し強調してきました。
では「実践的な学習」とは具体的にはどのようなものなのでしょうか?
今回と次回の2回にわたり、私が考える「実践的英語学習」の内容を紹介していきます。以下に挙げられていることが達成されていれば、私たちは実践的に学習が行えているといえるでしょう。ぜひ、日頃取り組んでいる学習方法と照らし合わせながらチェックしてみてください。
実践的英語学習のカギ:〜大前提〜
まず、全ての項目に共通するポイントは、英語を自分の日常に取り入れることです。
皆さんが日本語を不自由なく使えるようになったのはなぜか想像してみてください。毎日日本語に囲まれた生活を送ってきたからではないでしょうか。
対して、ほとんどの学生の場合、英語と交わる接点は学校での学習に限られています。このように自らの生活を振り返ってみると、教科書で勉強するだけで自由に英語を使えるようにならないことは想像に難くないはずです。
実践的英語学習のカギ①:
「4技能」をバランスよく鍛えよう〜「読む練習」ばかりしていませんか〜
皆さんの中には、学校の勉強は頑張っているのに英語力が上がる気がしないと感じている方は多いのではないでしょうか。いろいろな原因が考えらますが、大きな理由として、限られた環境下でしか英語に触れていないことがあるでしょう。
特に、「読めるのに聞けない、話せない」という声を非常に多く聞きます。これは、学校や塾で課されるリーディングが英語学習の中心になってしまっているからです。「聞ける、話せる」ようになるためにはリスニングやスピーキング、ライティングといった様々なアプローチをとって勉強する必要があります。
日本の英語教育は、簡単に言うと、英文が読めたら試験に受かるシステムです。しかし、それでは、世界に通用する英語力は身につきません。
受験を間近に控えた受験生の中には「受験に通用する英語力が身につけばいいのだから、余計なこと(リスニング~スピーキングの訓練)はしたくない。」と思う人もいるかもしれません。しかし、受験での成功を最大の目標に英語を勉強していると仮定しても、リスニング、ライティング、スピーキングなどの訓練を怠るべきではありません。
このように言えるのは、リーディングしかしていない人は、主体的に英語を使えないからです。リーディングが英語学習における基礎であることは確かですが、あくまで基礎です。百歩譲って「受験さえ成功できればそれでいい」と考えた場合でも、難関大学に合格しようと思うと結局は基礎を発展的な問題に応用できなければだめで、リーディングの練習だけでは太刀打ちできません。
リスニング、ライティング、スピーキングは発展的な英語学習と位置付けてよいでしょう。なぜなら、読めないものは聞けないし、聞けないものは書けないし、書けないものは話せないからです。「読む→聞く→書く→話す」の順番で英語力は発展します。基本的に、逆はあり得ません。英検で一次試験(リーディング&リスニング(&ライティング))に通ってもスピーキング能力を問う二次試験に必ず通るわけではないことからも、察していただけるでしょう。
発展的な勉強は基礎の定着にもつながります。裏を返すと、発展的な学習をしないと基礎も定着しません。
以上のように、様々な角度から英語を勉強することで、本当に使える英語力がついてくるというわけです。英語を自分の日常に取り入れるためには、色々な方法で英語にふれながら、時間をかけて継続的に学習することが必要です。
次回の連載で、「時間をかけ」、「継続的に学習する」とはどういうことか説明します。