ドイツ留学・現地レポート
こんにちは。2022年10月からドイツのハンブルク大学に交換留学をしている講師の小川です。この記事では、現地での様子や留学中に体験したことを、現地レポートとしてお伝えします。
ハンブルクの紹介
ハンブルクはドイツ北部にある港町で、市内をエルベ川が流れています。そのエルベ川とつながっているのが、アルスター湖であり、市内の中心に位置します。ハンブルクは、ドイツ第二の人口を擁していることもあり、ビルや近代的な住宅街が多く、都会的な印象を受けます。一方、至る所に公園があり、自然も楽しむことができます。大学の近くには日本庭園を含む公園もあり、驚きました。気候については、12月現在、−7〜8℃程まで下がる日が多く、毎朝凍えながら通学しています。
授業の様子
今学期は、大学内の「言語センター(Sprachenzentrum)」という場所で、他の様々な国から来た学生と一緒に、ドイツ語の授業を履修しています。他の学生の授業中の発言量は日本の比ではなく、常に先生と学生の間でコミュニケーションが展開されながら授業が進んでいきます。私は、日本ではそれほど積極的に発言する学生ではありませんでしたが、こちらでは発言量が少ないと、先生に優先的に指名されてしまうので、自分から発言することが増えました。その結果、ドイツ語を話す力は日本にいた時よりも向上していると思います。しかし、ドイツ語のネイティブスピーカーと話すときは、相手のスピードが速く、聞き取りに苦労することが多いので、授業外で生きたドイツ語をたくさん聞くことも重要だと感じています。
現地の大学生との交流
私が在籍しているのは、ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所の日本学部で、日本語を勉強しているドイツ人学生が50人ほどいます。そのため、お互いの母語を教え合う「タンデム」という交流をしたり、日本語の授業にサポーターとして参加したりするなど、日本語を使う機会が意外にも多くあります。ドイツ人の友人にも日本語で話しかけられることが多いのですが、ともすれば、それに頼って日本語ばかり使うことになりかねないので、こちらから話しかける時はドイツ語を使うようにしています。
また、日本人留学生に対する支援も手厚く、留学生一人一人にドイツ人学生がチューターとしてついて、ボランティアで留学生の身の回りのことをサポートしてくれました。ドイツに到着した時の出迎えから始まり、寮への入居、携帯電話の契約、住民登録、ビザの申請に至るまで、全て一緒に手続きを行ってくれたので、感謝してもしきれません。日本には「おもてなし文化」がありますが、彼らはそれを実践しているように思いました。私の大学にはこのような制度はありませんが、彼らが交換留学で日本に来た時には、私がしてもらったのと同じようにできるだけのサポートをしてあげたいと思います。
文化的なイベント
ドイツに来てから経験した大きなイベントはクリスマスとワールドカップです。ワールドカップについては、サッカーがドイツの国民的スポーツであることもあり楽しみにしていましたが、ドイツが早々にグループリーグで敗退してしまい、あまり盛り上がりを見せていませんでした。また、開催前からカタールでの人権問題が大きく報道されており、ワールドカップの観戦そのものをボイコットするという学生も、周りに少なからずいました。日本ではあまり経験しないことなので驚きましたが、私自身は少数のドイツ人学生と一緒に日本対ドイツ戦を観戦しました。予想に反して日本が勝ちましたが、一緒に喜んでくれたのでよかったです
一方、クリスマスに関しては、文化的なイベントとして大切にしようという雰囲気が感じられます。エネルギー不足にも関わらず、多くのイルミネーションが飾られ、大学や寮でも頻繁にパーティーが行われています。街中では、クリスマス・マーケットが至る所で開かれ、場所によっては徒歩で複数のマーケットをまわることができるほどです。また、12月に入ると、多くの教会でクリスマス・コンサートが開かれます。私は、ハンブルクで最も有名な教会である聖ミヒャエル教会で、J.S.バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聴きました。礼拝堂自体が大きく、石造りでもあるため、演奏の音と歌声がよく響き、とても感動しました。本来であればチケットを買う必要があるのですが、当日、受付の方に余ったチケットをプレゼントしていただき、決して安くない席で、無料で聴くことができました。ドイツに来て2ヶ月余りですが、このような人の暖かさに触れる機会が多く、それだけでも留学に来てよかったと感じます。
以上、ハンブルクからの現地レポートでした。最後までお読みいただきありがとうございました。