目黒達之の留学体験記 ★★★ The State University of New York at Stony Brook ★
留学期間:2019年8月~2020年5月
留学先:米国ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校
留学の決め手
2015年から英語勉強のため海外ニュースを見始めました。様々なニュースの中でも、2016年アメリカ大統領選挙に関心を持ち、選挙戦、焦点となる政策分野、人々の熱狂度合い、どれもが日本とは異なり、大変興味深かったです。漠然と「大きな変化が起きるのでは」と感じ、もっとアメリカ合衆国について知りたいと感じ、米国留学を決めました。
NYで政治を学び体験する
NYでアメリカ政治を学ぶ授業では、米国の大統領選挙や政府の仕組みついて体系的に学びました。授業を通して、米国政治について考える際の勘所をいくつか学べた気がします。さらに、民主党ストーニーブルック大学支部(大学から公式に認められている。熱心な活動が評価され、社会科学の教授も授業で紹介している。)の定期ミーティングに参加しました。同世代の学生が、今のアメリカについてどのような問題意識を持っているのか知ることができました。政治が学生の身近な存在であることは大きな驚きでした。
また、有名な政治家の演説会にも足を運びました。その時彼女は、民主党の大統領候補の座を狙っていました。そこで感じた熱気は今でも忘れられません。
民主党の左傾化が報道されていますが、リベラルの急先鋒とも呼べるニューヨーク州を自分の目で観察することができました。ニューヨークでは、一部の熱心な民主党支持者は、以前以上にリベラルな政策を支持しているように感じ、また、若者の間で全体的に、国内の様々な既得権益に対する不満が高まっているように感じました。それでいて、多くの人は日本と同じで、そこまで政治に関心を持っていないようにも見えました。このように、統計や日ごろの報道を超えた、肌感覚のようなものを得たことは大きな収穫でした。
NYから日本を見る
外から日本を見ることで、日本の良さと課題について考える機会が多くありました。良い点では、社会保障制度を挙げます。ニューヨーク市内を歩いていると、たくさんのホームレスの人に出会います。米国の社会保障には問題があると感じました。米国では、日本で当たり前の国民皆保険の導入さえも、急進的とする見方が一定の割合存在します。
逆に、米国から学べる点としては、自我の強さがあります。大学生活の中でも、周囲の目を気にするという文化は一切なく、多様な意見が教室を飛び交っていました。
NYならではの国際交流
また、ニューヨークという土地柄、他国からの留学生も多いです。韓国人や中国人の友人とは、週末の食事会や近隣の観光に誘い合い、交流しました。日韓関係が悪化する中、メディアで報道される様子と同世代の韓国人の思いは異なることを知りました。他国留学生と交流することで、日本では知りえない彼らの思いやそれぞれの国情を知ることができるのは得難い経験でした。
留学はセレンディピティの宝庫
他にも、観光や短期研修中には気づかなかった良さや、問題をたくさん知ることができました(私は、留学以前に米国を5回訪れており、そのうち3回はNYでした。いずれも短期滞在でした)。留学の最大の良さは、自分のコンフォートゾーンから出て、様々な価値観に触れることだと思います。米国政治を学ぶことを主目的として留学しましたが、普段の何気ない生活や人々との交流から学ぶことの方が多かったかもしれません。まさに、セレンディピティの宝庫だと思います。一歩踏み出せば、あなただけの留学が待っていると思います。社会人になる前に、自分の目で広い世界を見ることは大変に意義深いことです。