今回の連載から、実践的英語学習の基礎体力である「単語力」と「文法理解力」を取り上げます。
この記事では、実践的英語学習に繋がる英単語習得の方法を紹介します。
実践的英語学習×英単語習得
英単語の意味を辞書で知って満足するのではなく、あくまで「自分で使える」という点にこだわって学習を進めてください。
“一期一会”の英単語学習
英単語学習は人づきあいと似た部分があります。自分から外に出ていかないと人脈が広がらないように、実際に多くの英文に触れなければ、知っている単語の数は増えません。
何度も交流を重ねることで人間関係が深くなるのと同じで、異なる文脈の中で同じ単語に出会うことでその単語への理解が深まります。
つまり、単語力を定義するなら
「単語力」=「出会った単語の総数」×「それぞれの単語への理解の深さ」
と言えるでしょう。
単語力を定量的に測ろうとしがちですが、一番重要なのは、それぞれの単語への理解の深さです。
浅い理解で100単語覚えるより、時間をかけて50単語を深く理解することの方が長期的には有意義な結果をもたらします。
一つの単語を楽に理解しようとしてはいけません。深い人間関係の構築と同じで、単語と丁寧に向き合い本質を理解するには時間を要します。
英単語の理解を深めるには
英単語の理解を深めるためには、文脈の中で単語を理解することを意識してください。
ある程度まとまった文章を数多く読みこなす過程で、たくさんの単語に「出会う」ことが理想です。
単語帳はサブ的な役割だと考えてください(単語帳の使い方に関しては次回の連載で触れます)。
文章を読んでいるときに分からない単語と出会ったら辞書を引く癖をつけましょう。
そして、その単語を含む文を別のノートにメモしましょう。
この際、後で見返した際にどういう文脈の中で、どのような語法でその単語が使われていたのか分かるようにメモをすることが重要です。
メモをする際に、日本語訳は書かないでください。
なぜか。第一に、逆効果であるということ、第二に、時間の無駄であることが挙げられます。
本質的な意味が理解できていれば、日本語に直す必要はないのです。日本語と結びつけて英語を学習しようとすると、英語的発想がいつまでたっても身につきません。
以前から繰り返し強調しているように、英語学習に日本語を介在させるのは極力避けましょう。
しかし、せっかくメモしても、意味を書かなければ忘れてしまうと思う方もいるでしょう。そんな方へのアドバイスが二つあります。
①辞書は英英辞典を使い、単語の意味をメモする際は英語でメモする。
②自分の中でその単語が理解できるようになるまで、何度もメモを見返す。
メモを使ったこの学習法は大変に地道ですが、私の経験上、これが一番効果的で意味のある英単語の学習法だと感じています。
基本的には熟語も全く同じです。熟語は単語のコンビネーションなので、英単語学習の一環と捉えてください。一つ一つの単語を理解すれば、ほとんどの熟語を理解できるようになります。熟語を日本語訳と一緒に覚えるのはナンセンスです。
次回の連載では、出会った英語への理解を深める際に重要な「辞書」の使い方について紹介します。