英語質問箱 質問と回答

Q.
TOEICに関する文法の質問-その1
This feature will also give staff members an opportunity to promote any clubs, associations, or activities in their neighbourhood that they feel deserve a little extra exposure.
   feel と deserve は両方とも動詞に見えます。どの様な文法なのでしょうか?

A.
…in their neighborhood that they feel deserve a little exposure.
というセンテンスでは「連鎖関係代名詞」が使われています。
平たく言うと、通常の先行詞+関係代名詞+主語+動詞という関係代名詞の用法において、関係代名詞と主語の間に新しく主語と think, feel などの動詞を挿入することです。元のセンテンスでは、 theyとfeelを挿入されています。
つまり、「誰が思ったのか」という情報を補足しているのです。実は質問2でも連鎖関係代名詞が使われており、その用法・作り方は質問2の回答で詳しく説明していきます。

Q.
TOEICに関する文法の質問-その2
 If you are involved with a local organisation that would benefit from some publicity, please inform me of the nature of the group and its activities, where the group meets, how often it meets, and < any other information that you feel is relevant. >
(質問者訳)「もしあなたが広告から利益を受けているであろう、地方の団体と関係があったら、その団体の性質とその活動、どこでその団体が会い、どのくらいの頻度で会い、<あなたが感じるどの様な他の情報も重要です>」
   ブラケットカッコ部分の文法と訳の解説をお願い致します。

A.
ここで使われる文法事項も、問1と同じく連鎖関係代名詞です。
まず全文訳ですが、「もし(主語)が宣伝より利益を得ているあろう地元の団体と関わっていたら、その団体の特徴や活動内容、どこで、どのくらいの頻度で会合を開いているのか、<そしてその他関連すると思われるどんな情報>についてお知らせください。」になるかと考えます。

ここでは、ブラケット内の情報は、”me”に”inform”してほしい5つの情報の内の1つです。5つの情報の詳細は、
① 団体の特徴・性質 (the nature of the group)
② 団体の活動内容 (its activities)
③ 団体の会合場所 (where the group meets)
④ 団体の会合頻度 (how often its meets)
⑤ その他の関連すると思われる情報 (any other information that you feel is relevant)
です。(②活動内容は、③・④を内包していると見ることもできます。)
つまり、please inform me of … any other information that you feel is relevant と考えることができます。

ではこの考え方を基にブラケット内の文法を見ていきましょう
please inform me of… (any other information that you feel is relevant)
(  )内は「連鎖関係代名詞」が使われています。
関係代名詞なので、このセンテンスを2つに分解することができ、
①please inform me of any other information (他のどんな情報でもお知らせください)
②you feel (that) it is relevant (それは関連していると思われます)になります。
ここでは、①のany other information と ②の it は同じものを表します。
よって①②を連鎖関係代名詞を使って一つの文に戻すと、
please inform me of… any other information that you feel (that) it is relevant.
となりますが、接続詞(that)と、any other information と同意のitは省略できるので、
please inform me of… any other information that you feel is relevant.
となり、先述のような 「そしてその他関連すると思われるどんな情報」という訳になるわけです。

Q.
語根としての意味と、その語根が1個の単語として用いられるときの意味が関連しないように思えるケースがあります。例えば,parent=見えるapparent, transparentとparent=親やverse=回るtraverseとverse=韻文、関連がないようにみえて実は原義-由来においては関連があるのでしょうか?

A.
apparent及びtransparentは、ラテン語apparere「実現する、現れる、見える」に由来しています。ちなみにtransはacrossの意味で現代英語でも使われています(transport, transferなど)。apparereは接辞ad-(現代英語でいうとto)とparere「現れる、見える、従える」からなっていますが、parereの由来は明らかになっていません。
また、parentはラテン語parens「親、祖先」に由来し、そしてparensは動詞parire「生む、表す、つくる」に由来しており、ついには印欧祖語(Proto Indo European, PIE)の語根pere「つくる、表す」まで遡ることができます。

一方で、verseもtraverseに関してですが、両単語はラテン語vertere「回す」に由来しています。農業において、鋤を使って次から次へと「線」を通ること(=traverseが)、比喩として文章の「行」(=verse)を目で追う意味で使われるようになったと考えられます。
なお、verseが「文章の行」から「歌の一部」という意味で使われるようになったのは最近の発展のようです。

つまり、apparentとparentのように、語根が共通しているように思われても、語源を辿れば、原義-由来においては同起源の言葉(cognate)ではない単語もあります。たとえ同起源であったとしても、遡れる印欧祖語よりも以前の段階で分岐したと思われます。

出典:https://www.etymonline.com/

Q.
知覚動詞 It looks really old.
That sounds niceを、中学2年生にどう教えたらいいですか?

A.
知覚動詞の教え方は、生徒さんに応じて、多様だと思います。
一つの教え方は、構文として覚えよう、というものです。日本語と英語は、語順が異なり、SV(O)C構文、即ち、動詞の後に補語が来る、という構文があると教え、覚えてもらう、という教え方です。
実は、中国語にも同じ構文がよく使われます。語順が異なる外国語を学ぶときに、構文として覚える、という方法は有効だと思います。

Q.
「if ・・・, why would 」構文の訳し方を教えて下さい。

以下はPBSニュースの一節ですが、「if ・・・, why would 」構文でしょうか、しゃれた強調構文だと思い自分も使いたいと思うのですが、下記のような和訳でよろしいでしょうか。スマートな和訳をご指導いただけたら有り難いのですが。
“If you give a climate arsonist four more years in the White House, why would anyone be surprised if we have more of America ablaze? If you give a climate denier four more years in the White House, why would anyone be surprised when more of America is underwater?” Biden said in prepared remarks.
もし、もう4年トランプをホワイトハウスに居座らせたら、アメリカが更なる気候変動火災、気候変動水害をこうむることになっても誰も驚かないぞ。

A.

「文法構文をうまく使う」

ご質問ありがとうございます。質問者さんの着眼点がとても素敵だと感じました。
文法の教科書を確認しましたが、「if ・・・, why would 」構文という形を強調構文としては紹介されてはいませんでした。
しかし、この文章からはバイデン氏の力のこもった感じが伝わってきます。それは、おそらく質問者さんがご指摘の通り「if ・・・, why would 」という特殊な形(目を引く形)でメッセージが表現されているからでしょう。

訳し方もとても良いと思いますが、このような訳もいかがでしょうか?

もし、もう4年トランプをホワイトハウスに居座らせ、アメリカが更なる気候変動火災、気候変動水害をこうむることになったとして、そのことに驚く人間がいるだろうか(いや、いない)?
ここでは、反語表現のように訳してみました。

文法的にもう少しこの文章を分析して、なぜこの文章が受け手に迫力を与えるのか考えてみました。
仮定法では、現実に起こりそうにないことを想定する場合、文中の動詞や助動詞が過去形になります。今回の例でいうと、why would anyone be surprisedのように、would(助動詞will の過去形)を使うことで、「誰かが驚く」ということに関する、現実味のなさがより際立ちます。さらに、疑問形を使うことで強いメッセージが出来上がっているように感じました。

今回の形は、いわゆる強調構文(教科書や文法書で大きく紹介されているもの)ではないかもしれませんが、質問者さんが強調構文として捉えていただくことは全く問題ありません。むしろ、実際の文章から、メッセージが強調されている様子を感じ取ったその感性が素晴らしいと思います。そして、この文章では、いわゆる強調構文と共通するポイントがあります。それは敢えて普通と違うことをしている点です。多くの強調構文では、強調の意図が伝わりやすいように、単語の順番をいじるなどの工夫をします。そうした意味で、「if ・・・, why would 」は強調構文と言えるかもしれないですね。これからも、実際の生の英語に多くふれて、ご自身の英語表現の幅を広げてみてください。


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