第4回 「英語を使った自らのエピソード(3)模擬国連・世界の舞台へ」

英語でより大きな舞台へ

英語というツールを活かして様々な人々と交流する中で、英語を使う楽しさを肌で感じたエピソードをいくつか紹介してきました。

(※ここに過去記事参照リンクを貼りますね)

大学入学後は、人的交流に留まらない、より幅広い形で英語を使いたいと考えました。高校時代の海外での経験をきっかけに国際問題への関心が高まり、大学では「模擬国連」というサークル活動に情熱を注ぎました。

模擬国連では、参加者一人一人が一国の大使として様々な国際問題に対して政策立案を行い、他の参加者と英語で熱く議論します。この活動に携わる中で、私はニューヨークで行われた模擬国連の全米大会に日本代表団の一員として参加するという大変貴重な機会に恵まれました。

 

世界の学生と肩を並べて

模擬国連全米大会は5日間に及ぶ長丁場の会議で、議論は全て英語で行われます。私は、化学兵器の軍縮や、化学兵器を使用したテロの防止、そのために必要な輸出規制をどういった枠組みで行うかなどを話し合いました。

アメリカ、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカ、アフリカと、世界中のあらゆる地域から学生が集結し、日本人は私一人でした。そのような国際社会の多様な環境に身を置いて、議論している時間はあっという間でした。

海外の学生との議論はペースが非常に早かったです。自分の意見を伝えるのをためらってしまうと、気づいたころには次の論点に移っているということもありました。

議論の内容は非常に専門的でしたが、難しい英語を使うのではなく、自分の持っている英語で勝負することに集中しました。

 

国際社会のスタンダード=英語を使いこなす力

議題が化学兵器という非常に専門的な分野だったため、高い英語力が求められました。幸い言葉の面で困るということはありませんでしたが、全米大会という舞台を通して国際社会のスタンダードを突きつけられたように思います。

国際社会で活動するためには、英語の運用能力が必須です。残念ながら日本では、英語の運用能力を高めなければという意識がまだまだ薄いのが現状です。

 

「学校の勉強」で「英語を話せる」ようになるか

ハッキリ言いましょう…学校の勉強「だけ」では不十分です。英語を実際に運用する訓練は、学校での学習と並行させて自力で行わなければなりません。

一方で、日本の学校で習う英語は受験英語なので役に立たないという声をよく聞きますが、それは間違っています。学校で教わる英語文法、英単語、表現などは、決しておろそかにしてはいけない英語力の「土台」です。

学校の授業で学んだ内容を実際に自分で使ってみて、繰り返し練習しながら、表現を身体に染み込ませていくこと。このトレーニングを習慣づけると、英語の運用能力が着実に高まります。

私は、自分で自由に使えるようになるまで、英語を習得したとは言えないと考えています。なぜなら、使うことこそ、英語の究極的な目的だからです。

アウトプットをするためにはインプットは必須で、両者をバランス良く行うことが大事なのです。

 

全米大会では、ニューヨークという特別な場所で、世界中の学生と議論ができたのはまさに夢のような時間でした。今後も、どんなシチュエーションであっても自分の英語を最大限出せるように訓練していくつもりです。