第3回 「英語を使った自らのエピソード(2)ニューヨーク研修での世界のリーダーとの交流」

ツールとしての英語

英語を今勉強している皆さん、昔受験のために勉強したという皆さん、英語を「勉強の科目」ではなく「ツール」として何かに活かせた経験はありますか?英語を使って何かを実現できるとしたら、どんなことに取り組んでみたいですか? 

英語はあくまでも「ツール」であるからこそ、英語を何に使うのかということが非常に重要になってきます。「ツールとしての英語」の幅はとても広いです。

海外の方との交流のツール、趣味をより楽しくするツール、学問に深みを持たせるツール、ビジネスを拡大させるツール、etc…。英語の活用先はこうしたよく言われる場面に限りません。何にだって活かすことができます。

高校2年生時の韓国姉妹校訪問にて、英語で世界中の人と親交を深める魅力を実感した私は、「ツールとしての英語」を活かした活動に意欲的に取り組むようになりました。

 

元上院議員ロックフェラー氏と英語で交流

私は高校2年生の春にリーダーシップについて勉強するため、Japan Society主催のリーダーシップ・プログラム(※)に応募し、アメリカ合衆国はニューヨークとワシントンD.C.にて各界のリーダーたちと交流しました。アメリカの経済界・政界をはじめ、日米文化交流や国際機関で活躍されている人々のお話を伺う機会に恵まれました。どの方のお話もそれぞれの実体験に基づいたもので、今後のキャリアやなりたい自分を考える上で非常に良い勉強になりました。

リーダーたちとの交流はもちろんすべて英語で行われます。毎回、最初に講師のリーダーからお話をいただいたのち、時間の大半は質疑応答に割かれました。私は積極性と主体性をもって参加する姿勢を忘れないように、常に心がけていました。今振り返ると、英語習得に必要な「積極性」と「主体性」を、このリーダーシップ研修の場でまさに実践できていたのだと思います。

リーダーの話の内容がよく分かったときは、内容に関する質問を積極的に行いました。質問するときは手を高く挙げて相手の目を見て質問します。一方、私の英語力不足で講和の内容を理解できないときもありました。そんなときも、質疑応答の際に手を下ろしたままにはするのではなく、正直に「もう一度~~の部分を教えてください」と質問しました。

リーダーから質問を投げかけられることもありました。印象的だったのは、世界的に有名な元上院議員のロックフェラー氏から日中関係の展望について訊かれたことです。当時高校2年生だった私は、高度な内容について自分の考えを英語でうまく表現できるか不安でした。しかし、こんな貴重な機会を逃してはいけないと思い、自分の持っている英語を総動員しました。そうすると、ロックフェラー氏から私の考えにフィードバックをいただけて非常に感激しました。

あなた自身の英語(=ツール)を育てよう

英語はツールです。つまり、使わないと意味がありません。英語を使う機会はいくらでもあるといいますが、受け身の姿勢でそうした機会と向き合っていては成長しません。「英語がうまくないので、外国人を前にすると話したくない」という声をよく聞きます。その気持ちはよく分かります。しかし、使わなければ宝の持ち腐れです。

一歩ずつでいいので、自ら主体的に英語を使ってみましょう。

英語というものは一朝一夕でできるようにはなりません。逆に言うと、いくらでも伸ばすことができます。英語が完璧になってから実践の場に出ようと考えていては、英語をツールとして自分の世界を広げることはいつまでたってもできません。その場その場で自分の持てる英語を実践でぶつけ、そこから成長していかなければなりません。

まずは実践の場を自分から見つけに出かけましょう。そして、とにかく飛び込んでみましょう。怖がらずに、たゆまず積極的にツールとしての英語を育て続けることで、そこから生まれる感動が自分自身の成長につながっていくのです。

 

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(※)Japan Society主催”Junior Fellows Leadership Program”

日本の高校1、2年生を対象に毎年数名の優秀な学生を「ジュニア・フェロー」として選出、NY、ワシントンD.C.などの都市への留学(リーダー研修・ホームステイ・リサーチ・企業訪問・米国リーダーとの交流などを含む)の機会を提供し、現地の学生との国際交流を通して将来のリーダーを育成することを目指す国際プログラムです。

応募要項はこちら  https://www.japansociety.org/resources/content/6/6/5/9/documents/JS_LeadersP_web_180824.pdf