リンガハウスで教えるイギリス人講師にインタビュー

ローレンス(写真左) ロンドン出身・東京外国語大学大学院生
インタビュー:川畑(東京外国語大学英語教育専攻)


どのようにして日本・日本語に興味を持ったのですか?

だれにもらったのかわかりませんが、日本の日の丸の国旗の 扇子が小さいころからいつも部屋にありました。潜在的に興味 があったのだと思います。

13 歳の頃に、家族でフランスに旅行した時に、小さな町に泊 まりました。その町には映画館があり、たまたまジブリ映画『天空のラピュタ』が上映されていました。日本語音声をフランス 字幕で見ました。フランス語もわからなかったので絵や音だけで話を想像するしかありませんでしたが、約 2 時間のあいだ日本語を聞いて、きれいな音だなと感じました。その音がどうやって意味を成しているのかが全くわからず、調べてみたいと思いました。その後、大学の進路を決めるときにそのことを思い出し、日本語を勉強してみることにしました。両親は驚きましたが、「本気ならやってみなさい」と応援してくれました。

流暢な日本語ですが、どのように勉強しましたか?

1年生のころは、リーズ大学に徒歩で通学していました。とにか く日本語をはやくマスターしたくて、一人で歩きながら、「今日はいい天気ですね」など、日本語でつぶやくようにしていました。これは何て言えばいいのだろうと自信がない時には、その都度調べたり、先生に聞いたりして確認しながら学んでいきました。

大学生時代に日本の大学へ1年間、留学したこともあります。私は敢えて英語圏からの留学生が少ない大学を選び、できるだけ日本語だけで生活しようとしました。イギリスの大学の友達も、日本に来ても留学生と英語でしゃべっているような人の日本語は上手くなっていませんでした。とにかく話すこと、習うより慣れろ、です。

日本に来て何か驚いたことはありますか?

日本に到着して最初の印象は、街がうるさいということです。音楽や宣伝などが常に流されており、バスでさえ「右に曲がります」などと音を出しているのに驚きました。看板も鮮やかなものが多く、当時は意味もわからなかったため、情報がどんどん入ってくる感じがして少し大変でしたが、刺激的でもありま した。また、人があまり怒らないのも良いところでした。イギリスではバスの乗客がうるさくしていたら、運転手が『うるさ い、だまれ!』などということもあります。他にも、満員電車になるほど人が多いのに、歩いてもぶつかったりしないことにも驚きました。

日本について何か好きなことはありますか?

日本食でいえば、そばと和菓子が好きです。日本に来て初めておそばを食べましたが、とてもおいしかったです。大学の授業でも書道や茶道を体験する機会もあり、興味があります。好きな日本語は「木漏れ日」(こもれび)です。とても美しいイメージがあります。英語に訳すのはかなり難しいです。

英語の苦手な日本人に何かメッセージをお願いします。

日本人は英語をしゃべらないので、まずはしゃべるようにするのが良いと思います。よく「中学生のころから 6 年間勉強しているのに、全然英語ができない、話せない」などと言っている人もいます。

まずは口に出してみる、話してみるようにするのが一番です。恥ずかしがって話さないのではなく、しゃべってみて失敗して、わからないことがあれば調べて、といったようにしていけば自然と英語も身についていくと思います。

 

ローレンスさんは、世界遺産京都の醍醐寺の HP の英語吹き込みや、
ライティング・スピーキングサポートの指導も行っています