【英語学習のポイント】 第11回:語の使い分け ⑤StateとNation

今週は、語の使い分けの5回目です。
皆さんは、「国家」を表す ‘state’ と ‘nation’ の違い、答えられますか?

‘state’ は、統治組織によって治められている土地のことを言います。
その範囲は国のこともあれば、国の中の一部地域のこともあります。
だから、「国家」という訳語があるだけでなく、アメリカやオーストラリアの「州」を指す時もあるのですね。

一方 ‘nation’ は、国に関すること(その住民や文化など)全てをひっくるめて「国家」と言いたい時に使われます。

ここで例文を2つ見てみましょう。
①Japan should abolish the death penalty like other states.
②Japan should abolish the death penalty like other nations.

「日本は、他の国々のように死刑を廃止するべきだ。」という文ですね。
実は、①が間違いで、②が正しいのですが、その理由を説明できるでしょうか?

この例文の場合だと、死刑制度について述べているわけですから、「他の国々(国家)」という言葉には、単に「物理的な土地としての国」以上の意味が含まれています。
そのため、 ‘state’ では足りなくて、 ‘nation’ が適切、ということになるのです。