第15回「英単語の学習方法(2)」

前回に引き続き、英単語学習について説明します。

 

 

他の品詞と一線を画す「動詞」

英単語の中で、特に奥が深いのは“英語の王様”「動詞」です。

単純に言葉の意味だけではなく、語法(=その単語を文の中でどのように配置したらよいか)やコロケーション(=どのような語と組合せの相性がよいか)を意識して勉強してください。

動詞は、他の品詞と異なり、ただ意味を知っているだけでは使えません。

では、動詞を深く理解して実践で使いこなすにはどうしたらよいのでしょうか?

その答えが、辞書です。

 

 

「単語帳」ではなく「辞書」をバイブルに!

英単語学習というと、単語帳を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

単語帳は集団で行うお見合いのようなものです。単語帳では、自ら求めることなく、多くの単語と一度に出会うことができます。

しかし、何の文脈もなく出会った単語は記憶に残りにくいです。しかも、そこで得られる単語の情報は限られていて、一つの顔しか知ることができません。人間関係と同じですね。

英字新聞や映画鑑賞を通して実際の英語をどんどん浴びて、知らない単語を地道に辞書で調べる方が実は近道なのです。

 

私は東京外国語大学英語科を受験しましたが、実は受験期間中に単語帳を使った記憶はほとんどありません。

ニューヨークタイムズやABC Newsなどで実際の英語に触れ、分からない単語をその都度調べました。

その作業を繰り返していると、「あれ、この単語前も見たな」という単語が増え、少しずつ記憶の深い部分に定着していきます。

 

 

辞書を引く際のポイント−コアイメージに着目しよう!−

動詞を辞書で調べる際は、「コアイメージ」が何かということに注目してください。

コアイメージとは、文字通り「その動詞の核となるイメージ」のことで、そこを出発点として様々な意味が派生しています。

コアイメージを意識すると、実際に単語を使う際にも柔軟な考えができるようになります。

辞書や単語帳に書いてある意味を一言一句覚えるのではなく、いくつか紹介されている意味から共通項を引っ張り出すように、その単語の意味全てにかかるようなイメージを掴むことが大事です。

具体的な単語を使って考えてみましょう。

 

①コアイメージを意識していないケース

「run」の意味は「走る、経営する…」これを全て覚えなきゃ…

 

②コアイメージを意識したケース

「run」の中心的なイメージはどうやら「走」という漢字に集約できそうだ。

意味はたくさんあるけど、結局、自分が走る(=自動詞)、あるいは何かを走らせる(=他動詞)場合に大別できるな。

あとは、具体的な文脈で判断すればよさそう。レストランを走らせるというのは、きれいな日本語にするとレストランを経営するということだ。

 

英単語学習で試されるのは記憶力ではなく、理解力です。上の例のようにコアイメージを意識するやり方は、英単語の本質を理解する上で大変大きなアドバンテージになります。

 

その他辞書を引く際のポイント

コアイメージの他に、

①その動詞が自動詞か他動詞かの確認

②例文の確認

③語法の確認

を行ってください。

 

上記の「run」の例にもあるように、自動詞か他動詞か(もしくは両方)を理解することは、その動詞の語法を知る際の中核となります。

例文をいくつも確かめながら、語法をしっかりと確認してください。そして、自分にとって新鮮な情報は惜しむことなくノートにメモしましょう。

 

 

メモの効用

今まで出会った素敵な表現のすべてを脳にストックすることはできませんよね。ノートにまとめておくことで、後で振り返りたくなった際にメモが役立ちます。

理想は、頻繁にノートを見返して、新しく学んだ表現に繰り返し触れることですが、毎日ノートを一から振り返るのは現実的に難しいと思います。

ただ、ノートにメモしておくと、「今、○○を表現したいな。ちょうどいい表現があった気がするけどなんだったかな?」となったときに便利です。

ノートにメモをしていないと、繰り返すためのレパートリーが蓄積されません。

私自身、覚えたことを忘れてはノートを見て思い出し…を繰り返しながら、少しずつ「アクティブ・ボキャブラリー(使いこなせる語彙)」のストックを増やしてきました。