チェコインターンシップ体験記 渡邊

いつ、どこに、何を学ぶために留学しましたか?

私は電気通信大学大学院でコンピュータサイエンスについて学べる学部に所属し、コンピュータ上で数理的な問題を効率良く解答する方法を研究しています。

大学院1年生のときに夏休みを利用して、IAESTE(※)が主催している理系学生のための海外インターンシッププログラムに参加しました。期間は2か月間で、行き先はチェコ共和国の大学の、自分の専門であるコンピュータ計算に関する研究を行っている研究室です。チェコの公用語はチェコ語ですが、プログラムは全て英語で行われ、周りの人々とも英語で会話をしながら生活しました。

 

留学(インターンシップ)をすることに決めたきっかけは何ですか?

「英語力を向上させたい」という動機で参加しました。しかし、今までの人生でまともに英会話をしたことがなかったので、2か月間も海外に滞在し英語で生活するというのは私にとっては大きな挑戦でした。

 

留学(インターンシップ)先での生活について教えてください。

現地では、チェコの大学にいる先生の指導を受けながら専門分野に関する仕事に携わりました。先生がたまたま日本に詳しく、日本や日本人の性格についてよく理解しており親身に接してくれたのがとてもありがたかったです。

期間中、私はヨーロッパやアジアからの研修生たちと同じホテルに泊まっていました。自由時間には一緒にレストランやパブへ出かけたり、パーティに参加したりしていました。

 

渡航前に英語の勉強などの準備はしましたか?
実際に現地で生活してみて、英語力は向上しましたか?

英語の勉強に関しては、よく使われる挨拶を覚えたり、YouTubeの英語の動画を観たりしていました。しかし一番上達につながったのは、現地で自主的にスピーキングのトレーニングをしたことと、周りの人たちとの会話を重ねていったことだと思います。「英語を使わなければ生き残れない」という環境に身を投じること自体がとても良いトレーニングになるのでしょう。

周りの研修生と会話する際、初めのうちは全く話の流れについていけませんでした。学校のリスニングテストは自信があったのですが、実際に話されている英語を理解するのは難しく、話すことにも苦労しました。あまりにも分からないので、一時は会話するのを避けるようになってしまいました。

しかし、何度か聞いたりしているうちにあることに気が付きました。皆が皆、完璧な英語を話せているわけではないのです。英語を話しているのは英語のネイティブスピーカーではなく、第二言語で英語を学んでいる方々です。冷静に話を聞いていると文法が間違っていて、発音も間違えていることもありました。そのような中にいると、完璧に英語を話せなくてもいいんだ、という気持ちが徐々に芽生え、心理的に楽になれました。このことに気付いてからは、会話に参加するのも怖くなくなりました。

また「英語がうまく話せない」という気持ちを打ち明けると、アドバイスをもらえたりもしました。私の場合、周りの方々に恵まれていたのもあるのでしょうが、英語が不安であれば話しやすい人に相談してみるのもいいと思います。

 

チェコでの生活で印象に残ったエピソードを教えてください。

チェコの文化を知る多くの機会に恵まれましたが、一番印象に残った経験は「キノコ狩り」です。あるとき、「チェコはどこの山でも自由にキノコ狩りができるから、やってみましょう」と担当の先生が言いました。チェコ人はキノコ狩りが大好きなのだそうです。内陸国ということもあり、山でのレジャーが活発なのだと思います。

私と先生が二人だけで入っていった山は、散歩道があるわけでもない、何も整備されていない山でした。先生は慣れた様子で山の中に入っていき、私はついていくだけでも精一杯でした。時には棘のある植物の間を掻い潜ったりすることもあって、まるで冒険をしているようでした。そのような中で、先生は自ら安全なキノコを見分け、次々とカゴにつんでいきました。

 

私はキノコの種類などは何も分からないので、先生が採ったキノコをナイフで掃除する役割に徹していました。先生はお昼の時間も忘れて50個以上もキノコを採っていたので、本当に好きなのだということが伝わってきました。日本でもキノコ狩りをしたことがなく、初めての経験だったので、たいへん貴重な思い出です。

 

チェコに行く前は、チェコといえばプラハの綺麗な建物という印象しかありませんでした。しかし、チェコはビールが大量生産されていてかなり低価格で購入できる国だということや、ヨーロッパの中で比較的治安が良い国だということも知ることができました。観光旅行で行くだけでは知る機会がなさそうな面に数多く触れることができるのも長期滞在のメリットです。

 

留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いします!

昨今、海外への滞在のチャンスは数多くあります。私の大学にはいくつかの留学プログラムがありますし、大学に関係ないものでもインターンシップやワーキングホリデー、海外ボランティアなどがあります。色々な選択肢があると思いますが、海外への滞在に興味があれば自分が重視したいことを考えたうえで選ぶと良いでしょう。私は英語を上達させるという目的を達成するために、あえて日本人の参加があまり多くなさそうなプログラムを選びました。

 

渡邊 晃一朗

 

(※) IAESTE (https://iaeste.or.jp)
理系専攻の学生を対象に海外インターンシップを仲介する国際非政府組織。