農業で「根」のアイデンティティを築いていく
〜「うちで農園」と園芸福祉 〜
うちで農園 農園長 小勝正太郎さん
リンガハウス教育研究所の近くにある農園、「うちで農園」。
この農園は「援農ボランティア」という形で、心の調子を崩されている人々が緑ある環境の中で体を動かせる機会を提供しています。
今回は、「うちで農園」の農園長で、東京外国語大学にゆかりのある、小勝正太郎(おがつしょうたろう)さんにお話を伺いました。(全8回)
第3回 東京外国語大学での学びと違和感
うちで農園の農園長小勝さんは、かつてうちで農園から最も近くにある大学、東京外国語大学の学生でした。しかし、小勝さんは東京外国語大学を中途退学し、早稲田大学に入学、「農業」「福祉」の道を志すようになりました。なぜ小勝さんは「農業」「福祉」の道に進むことにしたのか、そのきっかけの一つとなった、小勝さんの「外大生」時代について伺いました。
小勝さん:「私は2008年に東京外国語大学外国語学部アラビア語専攻に入学しました。高校生の時に「遠くに行きたい」と思ったのがきっかけで、東京外国語大学を志望しました。今思えば、当時は自分自身の基盤となる「根のアイデンティティ」が安定しておらず、東京外国語大学を志望したのは、自分の可能性や外の世界を知りたいというような「翼のアイデンティティ」に基づいた考えからだったのかもしれません。」
小勝さん:「東京外国語大学での学生生活の中で私の考えを変えたのは、ケニア学生会 議という団体での活動です。この団体では、ケニアの大学生との交流や、都内のケニアやアフリカのイベントへの参加といった活動をしていました。私は、アフリカの貧困に興味を持ちこの団体に入ったのですが、学んでいるうちに自分の中で別の関心が生まれてきました。
アフリカの貧困について学んでいく中で、日本の子供の貧困について知り、遠くの国の貧困も重大な問題であるが、まず日本の身近にある貧困について考えるべきではないのか、という考えを持つようになりました。また、ケニア学生会議に参加する学生はみな世界を志す「グローバルな人」でしたが、そのような学生と関わっていくうちに、自分は「ローカルな人間」なのだと気が付きました。東京外国語大学を受験する際には安定せず、見ようとしていなかった「根のアイデンティティ」に注目し、日本の貧困について学ぶため、「グローバル」な東京外国語大学から離れ、「ローカル」な日本の児童福祉の道に進むことに決めました。」
東京外国語大学を中退後、小勝さんは早稲田大学政治経済学部に入学します。そこで小勝さんはどのような学生生活を送り、何を学び、なぜ農業を志したのでしょうか。
次回は、小勝さんの早稲田大学時代について伺います。
*冒頭の写真は、西武多摩川線をバックに、農園での小勝さんご夫妻。
うちで農園
公式HP:
https://uchidefarm.com/
公式Instagram:
https://www.instagram.com/uchidefarm/
農園・直売所:東京都府中市紅葉丘3-49
アクセス:
西武多摩川線 多磨駅より徒歩10分
西武多摩川線 白糸台駅より徒歩12分
京王線 武蔵野台駅より徒歩15分
うちで農園さんのトマトは、以下の店舗と直売所でお買い求めいただけます。
マインズショップ多磨店(定期販売)
府中特産品直売所(定期販売)
コープみらい寿町店(不定期販売)
ライフ東府中店(不定期販売)
うちで農園前自動販売機
インタビューブログ『農業で「根」のアイデンティティを築いていく 〜「うちで農園」と園芸福祉』全8回